ボードゲームで楽しく老人ホームレクリエーション

老人ホーム7

ゲームといえばテレビゲームやスマホゲームといったデジタルゲームが主流となっている現代ですが、昔ながらのカードゲームやボードゲームのようなアナログゲームが再注目されています。

そしてそんなボードゲームが、なんと介護の分野で活用されるようになってきているのです。介護にボードゲームが取り入れられるようになった理由や、遊びやすいゲームについて確認してみましょう。

老人ホームでボードゲームが遊ばれている理由とは?

ゲームといえば、テレビゲームやスマホゲームといったデジタルゲームを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、昔ながらのボードゲームやカードゲームといったアナログゲームを楽しんでいる人も多くいます。海外のゲームが輸入されたり、新たなゲームが開発されるなどして遊べるゲームは実に多様です。

アナログゲームは一緒に遊んでくれる人がいないと遊べないという欠点があるのですが、そうした欠点を解消できるゲームカフェも増加しており、日々愛好家達が思い思いにゲームを楽しんでいます。そしてそんなアナログゲームが、介護の現場でも活躍しているのです。

老人ホームなどのレクリエーションで活用されているのは、主にボードゲーム。高齢者は細かい指の動きが難しいこともあり、機能面で遊びやすいものが選ばれています。介護現場でアナログゲームが遊ばれている理由はいろいろありますが、まず老人ホームはいろいろな人が利用しています。

日々に充実感を持たせたくとも、認知症があったり体の機能が低下しているとできることも限られます。とはいえ毎日折り紙や手遊びというのも飽きてしまいますし、中にはそうしたレクリエーションを幼稚なものとして嫌う人も少なくないのです。

その点、ボードゲームは簡単なものであれば老若男女問わず遊べるので、レクリエーションに最適なのです。ボードゲームは遊んでいるうちに自然とコミュニケーションを生むという点も注目されています。

ゲームを進めるためには他のプレイヤーとやりとりをすることになり、自然と会話も生まれます。誰かとコミュニケーションを取ることは、孤立しがちな高齢者にとって非常に大切なことなのです。また、勝ち負けが生まれるボードゲームは高揚感を生みます。

それが新しい意欲に繋がったり、社会性の維持に役立ったりするのです。上手くできなかったことが「もっとできるようになりたい」という向上心を生むきっかけになることもあります。利用者同士のやりとりだけではなく、地域との繋がりにボードゲームを活用しようとする施設も存在します。

利用者の家族や地域の子ども達が楽しめるような大会を開き、それをきっかけに施設に新しい刺激や交流を呼び込もうとする働きです。こうした取り組みは、誰かが無理をしていると長続きしません。みんなが「楽しめる」ボードゲームは、交流のきっかけとして非常に優れているのです。

心も体もほがらかに老人ホームのレクレーションで使える手遊び

スピード重視のゲーム

高齢者は認知機能や体の機能が低下していることが多いので、ボードゲームなら何でもいいという訳ではありません。遊びやすいものを選んでいく必要があるのです。まずは素早くお題を解決することを目指す「スピード系」ゲームから。

「ウボンゴ」はポーランド出身のゲームデザイナーが開発したパズルゲームで、海外では子どもの知育教材としても遊ばれているゲームです。ボードの枠内に3枚のピースを隙間なくはめ込むことができれば完成で、早く完成させればボーナス点がもらえます。

頭で考えつつ指先を使うゲームで、得点を宝石でもらうことができるのも面白いポイントでしょう。

字を使うゲーム

「ワードバスケット」は、しりとりを元にした早い者勝ちゲームです。ひらがな1文字がかかれたカードを使い、「場の文字」から始まって「手札の文字」で終わる言葉を宣言しながらゲームを進めていきます。しりとりと違うのは、思いついた人が勝つという点。

スピードが重要になるゲームです。しりとりは誰でも知っている遊びなので、ゲームに馴染みがない高齢者でもとっつきやすいでしょう。

頭を使うゲーム

ボードゲームの中には、頭を使いながら進めるものもあります。「ドメモ」は数字を推理するゲーム。1から7の数字が書かれたタイルをランダムに引き、自分のタイルが見えないように背を向けて立てます。自分の数字を推理して1つ宣言し、合っていればタイルを倒します。

自分のタイルを全て倒した人の勝利です。やることは数字を宣言するだけなので、高齢者でも十分遊ぶことができます。見えている相手のタイルと場にオープンになったタイルから、自分の数字を推理する思考力が問われます。

現代ボードゲームの楽しみも味わえるのが「アミーゴバンデッド」。カードをめくりながらフィールドを進み、鍵を手に入れて宝箱を目指します。「道」のカードを引けば繋げて進むことができますが、「ドラゴン」カードを引いてしまうとゲームオーバーが迫ってきます。

基本はカードをめくるだけ、道を如何に繋げるかで適度に頭を使うゲームです。

みんなでわいわいバランスゲーム

「スティッキー」は、赤、青、黄色の出目がかかれたサイコロを振り、出た色のスティックを束から抜いていくというバランスゲームです。束を支えているリングが地面に付いたらゲームオーバー。スティックは色ごとに点数が異なり、合計得点が高い人が勝利となります。

バランスを崩さずに抜いていくだけというルールの単純さ、見た目の色の鮮やかさで人気のゲームで、年齢を問わず遊ぶことができます。一人で延々と楽しむこともできるので、手軽に遊べる点も魅力です。バランスを崩さず遊ぶゲームでは「ジェンガ」も有名です。

積み上げられたタワーから片手でブロックを抜き取り、最上段に乗せていきます。どんどん積み上げて行き、最後に崩してしまった人が負けになります。ジェンガのブロックには僅かな厚みの差があり、つつくことで抜きやすいもの、抜きにくいものを探すことができます。

もはや説明不要のシンプルなゲーム、かつ必然的に手先を使うことになる意外なゲームなのです。

遊ぶ人に合わせたゲームを選ぼう

ボードゲームは多種多様なので、老人ホームのレクリエーションで使う際は遊ぶ人に合わせたものを選びましょう。ある人にとっては難しすぎる、ある人にとっては物足りない、ではみんなが楽しめません。正しい遊び方にこだわらず、遊びやすいようにルールを変えたり独自に工夫するのもおすすめです。

そうしたことができるのもボードゲームの魅力の一つです。